障害者職業総合センター
 
 
−独仏米英の障害者雇用の最新動向と課題を詳解−

調査研究報告書No.110

欧米の障害者雇用法制及び施策の動向と課題

執筆者(執筆順)

苅部 隆 障害者職業総合センター 特別研究員 はじめに、第1章 第6節、第2〜4章 第5節
高橋 賢司 立正大学法学部 准教授 第1章 第1〜3節
福島 豪 関西大学法学部 准教授 第1章 第4節、5節
永野 仁美 上智大学法学部 准教授 第2章 第1〜4節
長谷川 珠子 福島大学行政政策学類 准教授 第3章 第1節、2節、
寺島 彰 浦和大学総合福祉学部 教授 第3章 第3節、4節
長谷川 聡 中央学院大学法学部 准教授 第4章 第1節、2節、
小川 喜道 神奈川工科大学創造工学部 教授 第4章 第3節、4節

キーワード

 障害者雇用法制 差別禁止 雇用率 合理的配慮 保護雇用 職業リハビリテーション 所得保障

活用のポイント

 ドイツ、フランス、アメリカ、イギリスの障害者雇用法制・施策の最新情報、課題、今後の見通し、我が国の法制・施策への示唆を詳解。障害者権利条約の障害者雇用法制・施策への反映についての検討が急がれているなか、本書は、各国の障害者雇用法制・施策一覧表に詳細な解説を加えた資料シリーズNo.58「欧米の障害者雇用法制及び施策の現状」とともに、障害者雇用に関わる研究者や企業に有用な情報を提供。

研究の目的と方法

目的
 障害者権利条約の国内障害者雇用法制・施策への反映についての検討に有用な情報を提供するため、障害者雇用率と差別禁止を併せ有する法制度を展開するドイツ・フランス、差別禁止法制を展開するアメリカ・イギリスについて、最新かつ網羅的な障害者雇用法制・施策に関する情報と分析結果を提示する。
方法
 欧米の労働法・障害者福祉に詳しい研究者で構成する調査研究委員会において関連情報の収集・分析、アメリカ、ドイツ、フランスにおいて実地調査。
 研究期間は2年間。初年度に各国の障害者雇用法制・施策の概要を一覧表形式でまとめ詳細な解説を加えた資料シリーズを作成。2年目には掘り下げた分析・考察を加えて、各国の障害者雇用法制・施策における問題点や今後の見通し、我が国の法制・施策に与える示唆を盛り込んだ最終報告書を作成。

研究の結果得られた知見

○ドイツでは、これまで重度障害者雇用率制度のもとで、障害者の雇用促進が図られてきたが、2000年の雇用均等一般枠組み指令を受けて、社会法典の整備を始め、障害者同権法、一般平等取扱法などが相次いで制定されており、障害者に対する就労支援と雇用差別禁止施策が充実強化されつつある。
本書では、障害者の雇用差別に関わる判例、保護雇用や職業リハビリテーションの実態が紹介され、さらに障害程度の認定の具体的手続きを詳解。
○雇用率制度のあるフランスでは、1990年に差別禁止原則を導入して以降、両制度を並存させてきたが、2000年EC指令以降さらに雇用差別禁止法制の整備を行い、雇用率制度と雇用差別禁止法制とを主軸とする障害者雇用政策を展開している。
本書では、特に保護対象の障害労働者の認定や差別救済の仕組みを詳しく述べているほか、雇用率制度の運用実態を納付金の計算方法も含めて詳解。

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○アメリカでは、1990年の障害をもつアメリカ人法(ADA)により障害者差別を包括的に禁止する制度をとってきたが、さらに障害者差別禁止の実効性を高めるためのADAの改正を行う一方、障害者の就労支援にも力を入れている。
本書では、ADAに関わる判例、EEOCへの申立事案等から合理的配慮提供の実態が解説されるとともに、各州の実施する保護雇用や職業リハビリテーションサービスの現状と課題を詳解。
○イギリスでは、雇用率制度から、1995年に障害者差別禁止法(DDA)により差別禁止法制へと転換する一方、障害者に雇用と所得保障のサービスを効率的に実施するための施策を実施しており、2010年には、DDAも含む包括的な差別禁止法である平等法を制定し、より効率的に障害者雇用施策を展開しつつある。
本書では、平等法実施のための規則、手引、行為準則も作成され、雇用主、障害者、司法関係者等の参考となっており、それらの概要を紹介するとともに、近年就労自立の促進という方向に見直しが進んでいる保護雇用、職業リハビリテーションのプロセス、所得保障の詳細についても詳解。

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サマリーはこちらから(PDF994KB)
調査研究報告書はこちらから(PDF3,182KB)



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