障害者職業総合センター
 
 
−中小企業で障害者雇用を進める方策を提案−

調査研究報告書No.114

中小企業における障害者雇用促進の方策に関する研究


執筆者(執筆順)

白石 肇 障害者職業総合センター 統括研究員 第1章〜第3章
笹川 三枝子 障害者職業総合センター 研究員 第1章〜第2章
野中 由彦 障害者職業総合センター 主任研究員 第1章〜第2章
諫山 裕美 障害者職業総合センター 研究協力員 第1章
佐久間 直人 障害者職業総合センター 研究協力員 調査結果の集計等

キーワード

 中小企業 雇用・就労支援機関 雇用・支援実態 雇用促進方策

活用のポイント

 近年障害者雇用率が停滞している中小企業にもう一度元気になってもらうためにはどうすればよいのか。本研究では、企業調査だけでなく雇用・就労支援機関調査も行って多角的に課題を把握・分析し、今後中小企業で障害者雇用を推し進めるための方策を提案。わかりやすくまとめたパンフレットとともに、障害者雇用に取り組む中小企業と支援機関において有効な資料として活用が期待される。

研究の目的と方法

 日本の障害者雇用は、2012年の集計で実雇用率、雇用障害者数とともに過去最高を記録するなど改善を続けているが、企業規模別にみると、大企業で着実に実績を伸ばしているのに対して過去に高い雇用率を示していた中小企業で障害者雇用が低迷している。
 本研究では、中小企業において障害者雇用を進めるための効果的な方策を検討するため、以下の方法で取組みを行った。①研究委員会を設置して研究内容を具体化するとともに関連分野の専門家を招聘して広く知見を収集する、②企業に対するアンケート調査及びヒアリング調査によって中小企業における障害者雇用実態と課題を詳細に把握する、③雇用・就労支援機関に対するアンケート調査及びヒアリング調査によって中小企業に対する支援の実態と効果的な支援のあり方を把握する。

研究の結果得られた知見

 企業に対するアンケート調査の結果、中小企業(本研究では56-300人規模の企業)の3割強が現在障害者を雇用していないこと、現在障害者を雇用している企業であっても中小企業は大企業と比べて知的障害者や精神障害者を雇用している企業の割合が低いこと、障害者雇用を開始した時期が新しい中小企業の方が知的障害者や精神障害者を雇用している割合が高いことが示された。これらのことから、中小企業の障害者雇用促進のためには、知的障害者や精神障害者の雇用を中心に、現在障害者を雇用していない企業はもとより、身体障害者しか雇用していない企業への働きかけを含めて取り組むことが重要であると考えられる。

調査研究報告書No.114

 次に、雇用・就労支援機関(以下「支援機関」という。)に対するアンケート調査では、支援機関が障害者及び企業に対して実施する支援の内容は「企業の雇用定着支援」「障害者の求職活動支援」「企業の受入準備支援」「障害者の生活支援」「障害者の能力向上支援」の5つに整理できることがわかった。さらに、支援機関の種類や支援実績別にみると、就職件数や支援企業数の多い支援機関では企業とも関わる「企業の受入準備支援」「障害者の求職活動支援」を重視して取り組んでいることがわかった。このことから、支援機関が障害者と企業の双方に関わるマッチングのための支援を行うことによって就職などの実績につながることが示唆された。
 アンケート調査に加えヒアリング調査結果の詳細な分析をもとに、中小企業における障害者雇用促進のために中小企業が取り組むべきこととして4つ(①労働力としての障害者を理解する、②地域の支援機関と接点を持つ、③キーパーソンを定めて全社的なコンセンサスを形成する、④障害者との接触機会を確保する)、支援機関が取り組むべきこととして4つ(①中小企業の価値観を理解する、②障害者雇用のメリットを理解する、③他の支援機関と効果的に連携する、④さらにマッチング精度を高める)、計8つを提案し事例とともに紹介する。
 なお、本調査研究報告書の内容を、中小企業及び支援機関向けにわかりやすく12ページのパンフレット「ポイントでみる中小企業の障害者雇用」として提供している。

調査研究報告書No.114

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サマリーはこちらから(PDF1,040KB)
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【全体版】(PDF15,120KB)
【分割版】
1 目次・概要・はじめに(PDF2,418KB)
2 第1章(PDF5,231KB)
3 第2章(PDF3,767KB)
4 第3章(PDF1,685KB)
5 資料・参考文献(PDF5,972KB)



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