障害者職業総合センター
 
 
−高次脳機能障害者の“働き方”の現状−

調査研究報告書No.121

高次脳機能障害者の働き方の現状と今後の支援のあり方に関する研究


執筆者(執筆順)

田谷 勝夫 障害者職業総合センター 特別研究員 第1章〜第4章、6章
緒方 淳 障害者職業総合センター 研究協力員 第5章

キーワード

 高次脳機能障害 働き方 福祉的就労

活用のポイント

 高次脳機能障害者の就労状況および働き方の現状を、@地域障害者職業センタージョブコーチ支援事例調査、A就労移行支援事業所調査、B家族会に所属する本人調査により多面的に把握した。高次脳機能障害者を多数受け入れている支援施設における支援の現状と課題を整理した。医療・福祉・就労支援機関の支援者にとって、きめ細やかな支援に資するものと期待される。

研究の目的と方法

 医療リハ領域における高次脳機能障害者支援の進展に伴い、就労支援ニーズが高くなってきている。地域障害者職業センターにおいては、ジョブコーチ支援等の実施により就労可能者が増加している。今後は就労定着支援も含め、きめ細やかな支援が必要となる。本研究においては、一般就労における働き方と支援内容、福祉的就労における働き方と支援内容を明らかにし、今後の支援のあり方を検討する。

研究の結果得られた知見

(1)地域センター利用者と就職率の推移
 高次脳機能障害支援事業の展開に伴い地域障害者職業センターを利用する高次脳機能障害者数は増加している(支援モデル事業開始翌年:359名、支援普及事業開始翌年:483名、普及事業全国展開達成年:664名)。地域センター利用後の就労可能者(就職/復職)も2002年度の33.9%から、2011年度の53.5%へと増加している(図1)。
図1)

(2)就労移行支援事業所調査より
 「利用者あり」が35.9%(「現在いる」206所、「現在、過去ともにいる」43所、「過去にいた」98所)と高次脳機能障害者支援の経験のある事業所は全体の約1/3と少ない。利用者人数は合計760人で、1所あたり平均2.2人となる(図2)。
 「雇用契約のある働き方」は10名(2.9%)で月額賃金は平均82,831円。「雇用契約のない働き方」は229名(66.0%)で月額賃金は平均19,961円。「賃金支給なし」は53名(15.3%)であった。
図2

(3)家族会に所属する本人調査より
 障害特性は「新しいことを覚えるのが難しい」「新しいことや問題に直面すると混乱し、対応策が考えつかない」等は3群ともに高頻度に出現し、群間に差がないのに対し、『我慢できない』『作業に集中できず、すぐに中断してしまう』『他人に注意されると、つい怒ってしまう』等は3群間に違いがある(下表)。
表

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サマリーはこちらから(PDF 1,147KB)
調査研究報告書はこちらから(PDF 13,545KB)



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