障害者職業総合センター
 
 
−労働と医療の連携が必要な就労支援の課題−

調査研究報告書No.122

就労支援機関等における就職困難性の高い障害者に対する就労支援の現状と課題に関する調査研究


〜精神障害と難病を中心に〜

執筆者(執筆順)

春名 由一郎 障害者職業総合センター 主任研究員 第1章〜第4章

キーワード

 保健医療機関での就労支援 疾患管理と職業生活の両立支援 医療と労働の連携

活用のポイント

 障害者の就職困難への社会システムによる影響は、障害者本人と雇用主の要因に劣らず重要である。特に、精神障害と難病では、医療と労働の両分野にまたがる治療と仕事の両立支援に向けた社会システムが未整備である。本研究では、両分野の各機関・専門職を対象とした、就労問題についての認識、取組や連携の状況や役割認識、様々な取組の効果についての調査結果をまとめており、今後の役割分担と連携の検討のために活用されたい。

研究の目的と方法

目的
 ハローワーク等における就職困難性の高い障害者として、精神障害者や難病患者等が急速に増加している。本研究では地域において障害者の就労を支える社会システムの視点から、精神障害と難病の就労支援に関わる社会システムにおける、従来のような「病気が治ってから」開始されるリハビリテーションや就労支援ではなく、「疾患管理と仕事の両立支援」のための新たな課題の実態を明らかにし、効果的な医療分野等と労働分野の関係機関の役割分担や連携のあり方の検討に資することを目的とした。
保健医療分野と労働分野の共通課題としての「疾患管理と職業生活の両立支援」の概念図
保健医療分野と労働分野の共通課題としての「疾患管理と職業生活の両立支援」の概念図

方法
 精神障害と難病に関わる、保健医療分野等と労働分野における就労支援や地域連携の現状と課題について、両分野の関係機関・職種へのアンケート調査を実施した。精神科医療機関859機関(回収率19.5%)、難病保健医療機関1,134機関(同34.0%)から、また、労働関係機関から、精神障害担当1,153名(同58.0%)、難病担当1,053名(同53.0%)の回答を得た。

研究の結果得られた知見

 各保健医療機関・職種と各労働機関では、就労問題の認識や、「疾患管理と職業生活の両立支援」への取組状況や役割認識、取組効果に大きな違いがあり、これらの実証的データは、各機関・職種の役割分担や連携のあり方の検討に資するものである。なお、精神障害と難病では、全般的に精神障害では保健医療機関・職種でも就労問題の認識が高く多くの取組がなされているのに対して、難病では患者からの就労相談を受ける一部の機関・職種での問題認識や取組に限られ、全般的な社会システム整備状況に大きな差があった。

両分野での精神障害者への「疾患管理と職業生活の両立支援」取組状況の比較

両分野での精神障害者への「疾患管理と職業生活の両立支援」取組状況の比較
(いずれの分野とも関係機関との協力を含む取組)


ダウンロード

サマリーはこちらから(PDF 1,464KB)
調査研究報告書はこちらから(PDF 16,115KB)

関連する研究成果

(1)資料シリーズNo.71「医療機関における精神障害者の就労支援の実態についての調査研究」
(2)資料シリーズNo.79「保健医療機関における難病患者の就労支援の実態についての調査研究」
(3)リーフレット「精神障害者の就労支援における医療と労働の連携のために」
(4)ガイドブック「難病患者の就労支援における医療と労働の連携のために」



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