障害者職業総合センター
 
 

調査研究報告書NO.64

精神障害者等を中心とする職業リハビリテーション技法に関する総合的研究(活用編)

執筆担当者(執筆順)

谷  素子 障害者職業総合センター 統括研究員 概要、はじめに
刎田 文記 障害者職業総合センター 研究員 第1章、第2章
斎藤友美枝 障害者職業総合センター 研究員 第1章第1節・第7節、第2章
戸田 ルナ 障害者職業総合センター 研究員 第1章第1節・第3節・第4節・第7節、第2章
八木 繁美 障害者職業総合センター 研究員 第1章第3節・第4節、第2章
綱川香代子 埼玉障害者職業センター 障害者職業カウンセラー 第1章第2節
武藤 香織 障害者職業総合センター職業センター 障害者職業カウンセラー 第1章第5節、第2章
長谷川真也 名古屋市総合リハビリテーションセンター職能開発課 第1章第6節
岩佐 美樹 障害者職業総合センター職業センター 障害者職業カウンセラー 第1章第8節、第2章
吉光 清 障害者職業総合センター 主任研究員 終わりに

(目的・方法)

  平成11年度から15年度までの5年計画で、「精神障害者等を中心とする職業リハビリテーション技法に関する総合的研究」を進め、精神障害者及び高次脳機能障害者の評価・支援技法の開発に取り組んできた。
  本報告書は、職業リハビリテーションの専門家がトータルパッケージを実施するにあたっての参考に供することを目的に、トータルパッケージの活用方法を検討し、現時点で収集された活用事例を取りまとめたものである。実践の場で使いやすいよう、職業能力評価、職業準備支援事業等各業務における、トータルパッケージの活用方法、効果及び今後の課題を整理するとともに、職業リハビリテーションの現場でトータルパッケージを実施して効果をあげた42の事例を紹介している。
  なお、トータルパッケージの考え方、構成、内容等については、調査研究報告書No.57 「精神障害者等を中心とする職業リハビリテーション技法に関する総合的研究(最終報告書)」をご参照いただきたい。

(結果の概要)

  2章からなる研究報告書の概要は、以下のとおりである。
  第1章では、職業リハビリテーション施設におけるトータルパッケージの活用について、実践場面に即して検討した。また、福祉機関や医療機関等でのトータルパッケージの活用が就労支援につながることを念頭におき、各機関での活用例について紹介した。
  トータルパッケージは職業リハビリテーションの支援事業での各場面において多様な実施が可能である。このため、第1節から第5節では、職業能力評価、職業準備支援事業(ワークトレーニングコース)、職業準備支援事業(自立支援コース)、ジョブコーチ支援事業、職場復帰支援プログラムの各場面について、まずそれぞれの業務の概要を示し、各業務の流れに沿ってトータルパッケージの各機能がどのように活用できるのかについて述べ、事業の流れに即したカリキュラム例を提示した。また、活用上の留意事項並びに課題について言及した。第8節では、職業リハビリテーションにおける新たな支援方法として検討されている「遠隔パソコン講習」におけるトータルパッケージの活用可能性について検討した。
  第6節、第7節では、職業リハビリテーション機関と関係機関との連携を念頭におき、福祉機関、医療機関におけるトータルパッケージの活用例、今後の課題について取りまとめられている。
  第2章では、現時点で収集した42のトータルパッケージ活用事例について、事例の概要、トータルパッケージ活用の効果等について詳述した。障害別・実施内容別・支援目的別に検討することを通し、トータルパッケージの多様な活用方法を紹介するとともに、個別事例の障害特性がトータルパッケージの機能と関連が深かった部分についても取りまとめた。
  第1節では、トータルパッケージ活用にあたって参照できるよう、42事例を、障害種別、実施内容、目的、キーワード、実施項目の分類項目によって細分化した。また、個別事例の紹介に先立ち、浜松方式高次脳機能障害スケール等の見方について述べるとともに、トータルパッケージの職業評価での活用のポイント、トータルパッケージによる指導・支援における各機能の活用のポイントについて述べた。
  第2節では、42のトータルパッケージ活用事例について、事例の概要、職業リハビリテーションサービスの目標と概要、トータルパッケージの実施内容や効果等について述べた。

目次

概要
はじめに
第1章 トータルパッケージの活用方法と実践活用例
はじめに
第1節 職業能力評価

1.職業能力評価の概要

2.職業能力評価におけるトータルパッケージの活用

3.職業能力評価で期待されるトータルパッケージの活用効果

4.今後の課題

第2節 職業準備支援事業(ワークトレーニングコース)

1.職業準備支援事業の概要

2.ワークトレーニングコースにおける活用の準備(指導体制の構築までの手続)

3.ワークトレーニングコースにおける活用

4.今後の課題

第3節 職業準備支援事業(自立支援コース)

1.自室支援コースの概要

2.自立支援コースにおけるトータルパッケージの活用

3.今後の課題

第4節 ジョブコーチ支援事業

1.ジョブコーチ支援事業の概要

2.トータルパッケージのジョブコーチにおける活用

3.今後の課題

第5節 職場復帰支援プログラム

1.職場復帰支援プログラムの概要

2.復帰プロにおける活用の準備

3.復帰プロにおける活用

4.復帰プロの今後

第6節 福祉機関

1.はじめに

2.高次脳機能障害者の職場での問題と特徴

3.実施結果と効果

4.課題の分析

5.考察とまとめ

第7節 医療機関

1.医療機関との連携

2.医療における認知リハビリテーションの概要

3.認知リハビリテーションにおけるトータルパッケージの活用

4.今後の課題

第8節 遠隔パソコン講習

1.遠隔パソコン講習

2.高次脳機能障害(認知障害)者に対する遠隔パソコン講習

3.実施方法

4.結果(中間報告:開始後5ヶ月、終了前支援未実施)

5.考察

第2章 トータルパッケージ活用事例
第1節 事例と概要と参照のポイント

1.事例の構成

2.浜松方式高次脳機能スケール等の見方

3.トータルパッケージの職業評価での活用

4.トータルパッケージによる指導・支援におけるM-メモリーノートの活用

5.トータルパッケージによる指導・支援におけるMWSの活用

6.トータルパッケージによるMSFASの活用

7.グループワークの活用と該当事例

第2節 トータルパッケージ活用事例
  • 職業評価の中で、WCSTとM-ワークサンプル(簡易版)を活用し、脳機能の低下による疲労に伴う障害状況の把握につながった事例
  • 職業評価の中で、WCSTとM-ワークサンプル(簡易版)を活用し、認知障害の影響や補完手段の必要性を確認した事例
  • WCSTの実施により障害認識が促進された事例
  • M-ワークサンプルにより難易度の高い課題への対応可能性を推定した事例
  • WCST、M-ワークサンプル(簡易版)の活用により復職のための職務再設計につながった事例
  • M-メモリーノートにより行動を構造化した結果、適切な行動が増加した事例
  • M-ワークサンプルの実施により、具体的な障害認識が促進された事例
  • 作業場面での活用を通しM-メモリーノートの般化を促した事例
  • M-メモリーノートが自立的な行動をするために有効なことを理解した事例
  • M-ワークサンプルの活用により作業に集中する時間を延長した事例
  • 記憶障害の補完手段として作業内容記録表の自立的な活用が定着した事例
  • M-ワークサンプルのエラーと障害部位・疲労の関係をフィードバックし、障害認識を促したことで適切な休憩を選択できるようになった事例
  • MSFASの活用により、 M-メモリーノートの必要性を理解した事例
  • 自分を誉める行動を確立したことにより、自立的な作業遂行が可能となった事例
  • 休憩時間と休憩方法の選択肢を提示したことで休憩できるようになった事例
  • 作業の初期段階から補完手段を導入する無誤学習により不安を軽減した事例
  • WCSTとグループワークの活用により、障害認識が深まった事例
  • MSFASの活用により、補完手段の目的を理解し自発的活用に至った事例
  • 成功経験を通じて障害認識が深まり、仲間を支援するようになった事例
  • 復職後の職務に類似したM-ワークサンプルを活用し正確性が向上した事例
  • M-メモリーノートの集中訓練により重度記憶障害の補完手段が確立された事例
  • M-メモリーノートを用いて情報の書き分けが定着した事例
  • M-メモリーノート集中訓練とM-ワークサンプルの実施により障害理解が促進された事例
  • M-ワークサンプルの活用により復職に必要な補完方法を獲得した事例
  • 家族支援を通じ、本人の障害認識が深まり、補完手段の自発的活用が定着した事例
  • グループワークと作業のスケジューリングで、補完手段・補完行動、休憩の重要性を理解した事例
  • 作業のスケジューリングにより疲労のコントロールが可能となった事例
  • 職務再設計から、キャリアアップのための職域拡大へとつなげた事例
  • 支援者間般化の手続きにより実地講習で補完方法の活用が継続された事例
  • 要素トレーニングとしてトータルパッケージを実施したことにより、限定された期間内で、職場復帰支援プログラムを効果的に実施した事例
  • WCST、M-ワークサンプルの実施により、課題事項が明確になった事例
  • M-ワークサンプルの活用により、疲労の影響が明らかになった事例
  • 補完手段を積極的に活用し、安定した作業が可能となった事例
  • M-ワークサンプルの活用により疲労のサインを特定した事例
  • トータルパッケージを2回実施し、疲労への認識の高まりを確かめた事例
  • ストレス・疲労のセルフマネージメント・トレーニングにより、モニタリングが可能となった事例
  • トータルパッケージの総合的な活用により、短期間で補完手段を確立し、認知障害への気づきを促した事例
  • 具体的な障害認識を高め、補完手段と補完行動の有効性が理解できた事例
  • 課題分析により整理した作業指示で自律的な作業が可能となった事例
  • M-メモリーノートと指示書の活用により、自立的な作業が可能となった事例
  • 失語症に対応したM-メモリーノートの活用と疲労のマネージメントにより、自立的な作業が可能となった事例
  • M-メモリーノートの活用と質問スキルの向上により自立的な作業が可能となった事例
おわりに

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