障害者職業総合センター
 
 
−ハローワークに求職登録した精神障害者の登録3年後の現状を分析−

資料シリーズNO.70

精神障害を有する求職者の実態に関する調査研究

執筆者(執筆順)

相澤 欽一 障害者職業総合センター 主任研究員 第1章〜第3章
大石 甲 障害者職業総合センター 研究協力員 第2章

キーワード

 精神障害者 求職者 就職 ハローワーク

活用のポイント

 ハローワークに新規求職登録した精神障害者の登録3年後の現状などを分析したものである。求職登録した精神障害者のハローワークにおける相談や紹介及び就職状況などを概観するには最適の資料である。

研究の目的と方法

 障害者職業総合センターでは全国110所のハローワークに対して、2008年7月1日から10月31日の4ヵ月間に求職登録した精神障害者の手帳所持の状況や診断名などを把握した(調査研究報告書No95:精神障害者の雇用促進のための就業状況等に関する調査研究)。しかし、同調査では求職登録後、それらの求職者がどうなったか追跡調査は行っていない。本研究は、ハローワークに求職登録した精神障害者のその後の状況を把握することを目的とした。

 ① 調査対象:障害者職業総合センターが2008年に実施した調査で、2008年7月1日から4ヵ月間に求職登録した精神障害者が1人以上いた109所。2008年調査で求職登録が確認された精神障害者数計1,808人。
 ② 調査方法:厚生労働省障害者雇用対策課を通じ、電子メールで調査対象ハローワークに調査票を送信し、ハローワークにおける相談・紹介、就職、支援機関との連携等の状況について回答を求めた。調査期間は、2011年9月15日〜11月30日。

研究の結果得られた知見

対象ハローワーク108所から登録者1,795人分のデータが回収された。前回調査の対象者が特定できなかった170人と、2つ以上の回答内容に矛盾がある46人を除いた、1,579人分のデータのうち、「他所に移管」は93人(5.9%)、「保留中」は355人(22.5%)、「有効求職者から除外」は230人(14.6%)だった。
「他所に移管」「保留中」「有効求職者から除外」の678人を除いた901人の求職登録3年経過後の現状は、「就業中」は409人(45.4%)、「求職中」は407人(45.2%)、「訓練利用中」は21人(2.3%)、「不明」は64人(7.1%)だった。
「就業中」の409人中、ハローワーク紹介就職で就業中は291人(71.1%)、うち1回のハローワーク紹介就職での就業中は235人だった。また、ハローワーク紹介以外で就業中は409人中118人(28.9%)だった。
「求職中」の407人中、ハローワーク紹介就職があった者は116人(28.5%)、ハローワーク紹介以外の就職のみあった者が41人(10.1%)、いずれの就職も確認されていない者は250人(61.4%)だった。
「訓練利用中」の21人中、ハローワーク紹介就職があった者は5人(23.8%)、ハローワーク紹介以外の就職のみあった者が3人(14.3%)、いずれの就職も確認されていない者は13人(61.9%)だった。
調査時点の現状「不明」の64人中、ハローワーク紹介就職があった者は21人(32.8%)、ハローワーク紹介以外の就職のみあった者が3人(4.7%)、いずれの就職も確認されていない者は40人(62.5%)だった。
求職登録3年経過時点で、「有効求職者から除外」などを除いた901人中456人(50.6%)でハローワーク紹介の就職が確認された。この456人が計604件(回)就職していたが、この604件の就職先の求人種類は、障害者求人258件(42.7%)、一般求人248件(41.1%)、就労継続支援A型事業所・福祉工場が91件(15.1%)、求人種類不明が7件(1.2%)だった。また、一般求人248件のうち、障害開示が82件(33.1%)、障害非開示が159件(64.1%)、開示・非開示不明が7件(2.8%)だった。一方、ハローワーク紹介以外の就職が確認された者は901人中計203人(22.5%)だった。この203人中、ハローワーク紹介就職も併せて確認された者は65人だった。

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資料シリーズはこちらから(PDF 1,988KB)


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