障害者職業総合センター
 
 
−就労支援機関と精神科医療機関の情報交換に焦点を当てた研究−

資料シリーズNO.96

就労支援機関と精神科医療機関の効果的な情報交換のあり方に関する研究

執筆者(執筆順)

相澤 欽一 障害者職業総合センター 主任研究員 概要、第1〜5章

キーワード

 就労支援機関 精神科医療機関 情報交換 情報共有 連携

研究の目的

 精神科医療機関(以下、「医療機関」という。)は、就労支援機関が実施する就労支援の前後を通じて精神障害のある人たちと関わっている。このため、医療機関が行う精神障害のある人たちに対する継続的な治療と無関係に就労支援を行うより、医療機関と連携しながら支援することが望まれる。
 就労支援機関と医療機関の連携が効果的に行われることで、就労支援機関が医療機関の見立てや対応方法を知ることとなり、適切な就労支援実施の可能性が高まるなどさまざまなメリットが考えられる。一方で、CiNii(国立情報学研究所が運営する学術論文などのデータベース)で「精神障害者 就労支援 情報交換」のキーワードで論文検索を行っても該当論文が無いなど就労支援機関と医療機関の情報交換に焦点を当てた文献は乏しい現状にある。
 このため、就労支援機関と医療機関の効果的な情報交換の視点や具体的な方法を収集・整理し、就労支援機関と医療機関の双方が現場で利用できるマニュアルを作成することを目的に本研究を実施した。

活用のポイントと知見

(1)情報交換の具体的な方法を明示
 本研究では、就労支援機関から医療機関に問い合わせるときの具体的な留意点、就労支援機関から医療機関への情報提供の仕方、両機関で協議する際の工夫など、具体的な情報交換の方法を明らかにした。

(2)「主治医の意見書」に関する読み手(就労支援機関)と書き手(医師)の認識のズレ
 ハローワークが主治医から情報収集する際に使われる「主治医の意見書」(以下、意見書)に関し、就労支援機関からは「意見書に本人の希望を書く医師がいるが、医師の客観的な判断を書いて欲しい。」という指摘が少なからずあった。
その一方、就労支援に詳しい精神科医からは「多くの主治医は、患者を介しての情報しか持っていないことが多いという意識で意見書を読んでいただく必要がある。」との指摘や、「医師は労働能力など職リハの専門的なことは分からないことを踏まえて欲しい。」など就労に関する詳細な判断を医師に求めることに対する疑問が少なからず出され、意見書の読み手(就労支援機関)と書き手(医師)の認識にズレがあることが明らかになった。これらのズレを少なくするために、マニュアルには、就労支援機関向けに、医師や精神科医療の専門領域に関する情報を含めた。

(3)実践で求められるスキルを明確にする研究方法の具体例
 本研究を基に、就労支援と精神科医療との情報交換・情報共有のためのマニュアルを作成したが、本資料シリーズは、その作成過程を分かるように記述している。実践で求められるスキルなどを明らかにする研究者は、本資料シリーズでその具体的な事例を知ることができる。また、マニュアルに掲載されていない様々な情報交換の視点や方法を巻末資料に収めており、より詳細について学びたい実践者の参考になる。

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資料シリーズはこちらから(PDF:1,603KB)

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「就労支援と精神科医療の情報交換マニュアル」



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